6月議会:養老鉄道の存続問題について

議会報告(笹田トヨ子の一般質問)

存続に向けて大垣市長のリーダーシッ プを求める

公有民営方式を提案されている養老鉄道 存続問題について、一般質問で取り上げま した。 大垣市当局は、養老鉄道を存続する場合、 多くの課題があるとして、以下の点を上げ ました。

①人口減少・少子高齢化に伴う今後の乗降 客の減少による経営悪化
②鉄道施設等の維持管理コストの増大
③運転士等の人材確保
④沿線地域がどれだけ地域鉄道を利用してくれるか

そして、近鉄に協力要請を行なったが前 向きな回答は得られなかったと、公有民営 方式には慎重な姿勢でした。

しかし、養老鉄道が廃線ともなれば600 万人の乗降客の足を奪い、代替交通として バス転換しても「高コスト構造で輸送力・ 定時性を考慮すると鉄道以上の優位性は認 められない」(報告書)というものです。

養老鉄道は西濃地域のインフラ(社会資 源)であり、これを廃線にすることは教育 や福祉など住民生活に直接影響し、地域経 済にも大きなダメージを与え、地方創生と 言われる中、地域を亡ぼすことになるので はと危惧します。超高齢・少子化の中、人 口減少時代だからこそ、住民の交通権を保 障していくための地域交通政策が必要で、 国が責任をもって政策化し予算的措置を行 うべきです。また養老鉄道は2県3市4町 に渡り、広域性から見ても沿線自治体だけ でなく岐阜県の果たす役割は重要です。以 上のことを考えるならば、西濃地域の中心 的な位置にある大垣市がリーダーシップを 発揮して県や国に対して働きかけるべきと、 市長に養老鉄道存続のため全力を尽くすこ とを求めました。

(建設・経済・議会運営委員会報告)

養老鉄道問題は建設環境、経済産業、議 会運営の各委員会でも審議されました。 「大垣市民の利用が少ない」と一部の議員 から消極論も出ましたが、経済委員会では 「存続できればしたほうが良い」と、その ためには赤字や廃線時の負担も含めてどれ だけ資金が必要か、9月までに試算をし、 県と話をするなど現実的な意見が出されま した。

養老鉄道は西濃地域のインフラ

住民参加で総合交通政策を 養老鉄道は市民の利用が少ないから手を 引くといった次元の問題ではなく、地域住 民の移動保障の問題であり、福祉・教育・ 観光・産業などの土台となるインフラ整備 の問題です。

これから人口減少で高校再編が進む中、 特色のある学校であれば、遠くからも人は 集まるが、通学が便利かどうか大きな要素 となります。また超高齢社会となり免許証 を返上した人々の移動保障が待ったなしの 問題です。養老鉄道の問題も含め総合的な 交通政策が求められます。

養老鉄道の存続のカギは住民参加による 鉄道と周辺のバス路線などとの連携させた 総合的な地域交通政策を策定していくこと です。