12月議会の一般質問で、笹田議員は、養老線存続問題について「今必要なことは、存続させるという市長の決断であり、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく法定協議会の設立ではないか」と迫りました。
これに対して、市長は「沿線市町の首長と近鉄で養老鉄道の事業再構築に関する考え方について意見交換を行なっている。」「法定協議会は双方の協議が整った段階で設置する」というものでした。この答弁では、近鉄に何を要求し、どのような合意を得ようとしているのか、市民に全く明らかにしていません。
2回目の質問で、
①近鉄が提示した経営改善策の試案は赤字になっている。定期外利用者を増やすなど赤字解消の見通しを出すべきである。
②再構築事業のスキーム例では、全て土地所有は近鉄になっている。鉄道事業から撤退する近鉄に対して、土地も含め鉄道資産は新鉄道事業者に譲渡をすべきで、なぜ土地の譲渡を要求しないのか。
③養老線の教育・福祉・地域経済等に与える社会的便益調査を求める。
以上3点について質問しましたが、全く答えてもらえませんでした。
法定協議会の「計画」で国の支援が受けられる地域公共交通の活性化及び再生に関する法律は、平成26年に一部改正され、「人口減少や高齢化が進展する中、地域の活力を維持し強化するため地域公共交通ネットワークを確保することは喫緊の課題」と位置づけています。まさに養老鉄道の存続問題はこれにあたり、自治体が先頭に立ってこの課題に向き合うことが求められています。
この法律は「地域公共交通網形成計画」と「地域公共交通再編実施計画」を策定するにあたり、法定協議会を立ち上げ、自治体、公共交通事業者、道路管理者、公安委員会等の他、利用者の参加を求めています。この法定協議会で策定された計画が認定されて、はじめて国の支援を受けることが出来ます。
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養老鉄道存続問題で国に要請
10月27日、来年度予算要望について、岐阜県下の共産党議員で省庁交渉を行いました。大垣市からは笹田・中田両議員が参加し、養老鉄道存続問題について要望しました。
現在、養老鉄道の存続に向けた近鉄の経営方針等や養老線公有民営化シミュレーションが出されていますが、「土地所有は近鉄」が前提となっており、また鉄道運行(第二種鉄道事業)の試算が赤字経営のままであり、「養老鉄道再生」にはなっていません。
運行事業の経営健全化(赤字脱出)と鉄道事業から撤退する近鉄は土地も含めて鉄道資産を第三種鉄道事業を行う沿線自治体に譲渡することが養老鉄道再生の前提になると考えます。
省庁交渉では、鉄道資産取得等に対し国庫補助を要望しました。国交省の鉄道事業課の専門官は「地域の関係者と充分協議を行い、方針をまとめて欲しい」という答弁でした。
「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」(改正地域公共交通活性化再生法)にもとづいて組織された協議会が作成した「再生計画」が認可されれば、現在ある国庫補助事業の対象になることを意味しますが、土地など資産取得は対象になっていません。
協議会で計画を出したときには「土地など鉄道資産取得についても国庫補助の対象として検討してくれるか」という質問に「検討する」との返事でした。
6月議会:養老鉄道の存続問題について
議会報告(笹田トヨ子の一般質問)
存続に向けて大垣市長のリーダーシッ プを求める
公有民営方式を提案されている養老鉄道 存続問題について、一般質問で取り上げま した。 大垣市当局は、養老鉄道を存続する場合、 多くの課題があるとして、以下の点を上げ ました。
①人口減少・少子高齢化に伴う今後の乗降 客の減少による経営悪化
②鉄道施設等の維持管理コストの増大
③運転士等の人材確保
④沿線地域がどれだけ地域鉄道を利用してくれるか
そして、近鉄に協力要請を行なったが前 向きな回答は得られなかったと、公有民営 方式には慎重な姿勢でした。
しかし、養老鉄道が廃線ともなれば600 万人の乗降客の足を奪い、代替交通として バス転換しても「高コスト構造で輸送力・ 定時性を考慮すると鉄道以上の優位性は認 められない」(報告書)というものです。
養老鉄道は西濃地域のインフラ(社会資 源)であり、これを廃線にすることは教育 や福祉など住民生活に直接影響し、地域経 済にも大きなダメージを与え、地方創生と 言われる中、地域を亡ぼすことになるので はと危惧します。超高齢・少子化の中、人 口減少時代だからこそ、住民の交通権を保 障していくための地域交通政策が必要で、 国が責任をもって政策化し予算的措置を行 うべきです。また養老鉄道は2県3市4町 に渡り、広域性から見ても沿線自治体だけ でなく岐阜県の果たす役割は重要です。以 上のことを考えるならば、西濃地域の中心 的な位置にある大垣市がリーダーシップを 発揮して県や国に対して働きかけるべきと、 市長に養老鉄道存続のため全力を尽くすこ とを求めました。
(建設・経済・議会運営委員会報告)
養老鉄道問題は建設環境、経済産業、議 会運営の各委員会でも審議されました。 「大垣市民の利用が少ない」と一部の議員 から消極論も出ましたが、経済委員会では 「存続できればしたほうが良い」と、その ためには赤字や廃線時の負担も含めてどれ だけ資金が必要か、9月までに試算をし、 県と話をするなど現実的な意見が出されま した。
養老鉄道は西濃地域のインフラ
住民参加で総合交通政策を 養老鉄道は市民の利用が少ないから手を 引くといった次元の問題ではなく、地域住 民の移動保障の問題であり、福祉・教育・ 観光・産業などの土台となるインフラ整備 の問題です。
これから人口減少で高校再編が進む中、 特色のある学校であれば、遠くからも人は 集まるが、通学が便利かどうか大きな要素 となります。また超高齢社会となり免許証 を返上した人々の移動保障が待ったなしの 問題です。養老鉄道の問題も含め総合的な 交通政策が求められます。
養老鉄道の存続のカギは住民参加による 鉄道と周辺のバス路線などとの連携させた 総合的な地域交通政策を策定していくこと です。
【12月議会】一般質問:地域交通政策はまちづくりの土台
高齢者等の移動の要求が高まる中、自主運行バスや地方鉄道などの現状と対策について質問しました。答弁は「市民の生活等に必要不可欠な交通手段の確保は大切と考えている」「自主運行バスの支援や鉄道について沿線市町と協議会を設置し連携を図っている」とし、今後は「国が策定する交通政策基本計画や地方公共団体への支援制度を注視し、公共交通体系のあり方について研究する」というものです。私は、今後地域交通政策を策定するにあたって3点について要望しました。
①市民の交通権を位置づけること。
②地域交通は福祉・教育・地域活性化などまちづくりの土台になるインフラ整備であること。
③政策作りには住民参加で一自治体だけでなく生活圏域全体で取り組むこと。
(建設環境委員会報告)
養老線検討委員会(沿線自治体で構成)は、養老線のあり方について、岡山市にある「地域公共交通総合研究所」に調査委託を行なったと報告あり。