平和・人権
第8回西濃憲法集会を終えて
今年の西濃憲法集会(5月3日、大垣市総合福祉会館ホールにて開催)は「何が『テロ』なのか?『富と貧困』の集中がもたらすもの」というテーマで行われ、200人が集まった。
愛知の憲法集会を意識したわけではないが、戦後50年の時から、せめて憲法の誕生日にこの地域で憲法がどのように息づいているか確かめ合う場があってもいいのではないかと、「平和・人権・民主主義を考える」西濃憲法集会を行うようになった。基本は、この地域に住む人々の手作りの集会、思いは身近な問題から遠く沖縄や世界の人々にまで心を寄せられる内容にと毎年続けてきた。
今年の憲法集会は、昨年の「同時多発テロ」に端を発したアメリカのアフガニスタンへの「報復戦争」と、そのアメリカの戦争に日本の自衛隊がはじめて海外に出かけ、今「有事法制」を決めて国民をまるごと戦争に協力させようとしている時期に行われた。
私たちは、その年のテーマにそってアンケートをとっているが、今年は「あなたが徴兵されたら戦争にいきますか?」の問に、「絶対に行かない(罰をうけても)」の項目に59%の人が賛成を表している。あらためて、憲法9条の平和主義が私たちの生活に空気や水のようになくてはならない存在として息づいていることを強く感じた。
しかし、その一方で、罰則規定まで設けた「有事法制」が今国会で審議されている。これが通れば、戦前の「国家総動員法」と同じく、国民をまるごと戦争に協力させる体制の第一歩になってしまう。
私たちは、公害闘争のようにきれいな空気や水を闘って取り戻した経験がある。「平和も闘ってこそ守られること」を強く意識させられた憲法集会になった。
2002年5月4日 笹田トヨ子
#西濃憲法集会の様子は、こちら(西濃法律事務所のホームページ)を参照してください。