平和・人権
2004 原水爆禁止世界大会 ヒロシマレポート 3
反核の夕べ
8月6日は、平和祈念式典や原水禁大会だけでなく、平和記念公園のあちこちで慰霊祭やコンサートが催されていました。夕方、広島の市民団体で核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)主催の「反核の夕べ」に参加するため平和記念公園に出かけると、尺八の演奏を行っている一団に出会い、また、元安川では灯篭流しの準備が進められていました。
反核の夕べは平和記念資料館の地下1階で開かれていました。「8・6ヒロシマ国際対話集会」ということで、反核国際法律家協会会長ウイラ−マントリー氏が基調講演を行い、イラクのマンスール子ども病院医師、アメリカから湾岸戦争に参加した元米軍海兵隊員の各氏がゲストとして招かれ、劣化ウランによって引き起こされている実態がだされました。
発言で印象に残っているのは、アメリカからきた青年の話、彼は米軍の中にある反戦グループに所属しているとのこと。双子の兄弟の一方を戦争で失った。彼は死んだイラク人やアメリカ人の事を話さなければという思いで参加したとのこと。「劣化ウラン弾は予防注射で防げると自分達は説明受けていた。アメリカ政府は自国の兵士に対しても嘘をついていた。」と。そして「アメリカ政府の首脳達は家族を戦場に送っていない。戦争を始めたものが戦争に参加するようすれば戦争はなくなる」
岡本三夫(HANWA共同代表)から、5月にHPT準備委員会に参加した時の様子を報告されました。北朝鮮がNPTからの脱退を表明していることや、パキスタンの核兵器闇市の発覚など、NPTは崩壊に瀕した状態。国連会議に参加するためには特別なパスが必要。NGOのための会場は設定されているが、入るためには許可が必要。北東アジア非核地帯の構想:北朝鮮の核開発をやめさせるため4カ国(日本・韓国・中国・モンゴル)で非核地帯をつくるというもの。平和市長会議が活発だった。広島・長崎の市長の発言は国際的にはかなりの影響力をもっている。日本政府は新アジェンダ連合7カ国のような国際的、国レベルの反核運動に参加しなかった。日米安保条約が妨げになっている。