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市政・研究

医療・福祉対策要望書への市側の回答

 西濃社会保障推進協議会は、大垣市に対して「医療・福祉施策の要望書」を提出していましたが、6月20日に懇談会が開かれました。

photo(懇談会の様子)

以下はその主な内容です。「 」の内容は、市側の回答です。

(介護保険)

1.介護保険の利用料の減免について >

「今の段階では難しい」

 在宅サービスだけでも利用料の減免を行うことにより、利用者を在宅介護へ誘導することになり、市の在宅介護重視の考え方にも合致します。

 多くのお年寄りは、施設で生活するより慣れ親しんだ地域で暮らすことを望んでいるので、利用料が減免されれば、家族に気兼ねすることなく自分の年金だけで在宅サービスを受け、地域で生活する人が増えるでしょう。

 仮に市の一般財源を投入しても、将来的には介護にかかる費用は安くつくと思います。

2.施設入所の選考基準について > 

「特別養護老人ホームの入所基準について国の方で検討している。そうなれば、最も必要としている人から入所できるはずである。今後基準に違反すると思われるケースは、不服申し立てを県に出してほしい」

 特養の入所基準だけでなく、老健施設の入所についても、市民が納得いくよう何らかの基準なり説明が必要と思います。

 介護保険が導入される前は、「市民が施設を選ぶ」と盛んに言われていたのですが、結果は私たちが恐れていたとおり、施設が選ぶ側になっています。

 「市民が選ぶ」側になるためには、施設提供側に常に「空き」があること、施設の介護内容など市民に情報が提供されていることが条件になります。

3.介護保険施設の増床について > 

「特別養護老人ホームが2箇所建設されることになり、160床増床となる。これ以上の建設は難しい。」

 平成16年度までに、特養が390床となり、特養の定員は国基準にも合うが、介護療養型医療施設は基準値に満たないため、国基準からみて、総数で約200床不足していることになります。

 現在、「特養の待機者600人以上」とか、「市民病院から退院を迫られているが行く場所がない」と言った声をよく聞きますが、安心して療養するところがあれば、また在宅の介護や医療が充実していれば、今の問題も少しは解消されると思います。

4.保険料の減免制度について >

「国の3原則を考慮にいれて慎重に検討していく」

  保険料の見直しについて > 

「慎重に検討していく」

 今年は、介護保険の見直しの年にあたります。保険料については、「大垣市介護保険運営協議会」で検討される予定です。注目していきたいと思います。

(国民健康保険)

1.資格証明書および短期保険証の発行について > 

「平成13年度3月現在、資格証明書5世帯、短期保険証900世帯に発行している。国の手順にそって義務的に対処している。」

 今まで資格証明書未発行自治体として喜んでいたが、ついに大垣市も発行自治体になってしまい残念です。

2.国保料減免について…当事者の方に参加してもらい、減免を訴えた。

(事例1)

 理容業を営んでいるが、仕事がなくて、収入が激減したため、国保料を滞納している。

 「岐阜市並の減免」(前年度収入より激減している場合など)を要望したが、市側は「減免の根拠となる具体的な資料が必要。減免できるかどうかは別として相談には応じる」という回答。

 昨年度の大垣市の減免件数は7件(200万円)のみ。因みに、岐阜市は608件(3281万円)の減免を行っています。(H12年度資料)

(事例2)

 夫婦(夫60歳、妻55歳)とも失業状態で、借金もある、国保料も滞納している、アパートの家賃も滞納しているため、7月にはアパートを出なければならない。生活保護を申請しようとしたが年齢が65歳に達していないので、仕事を探すように言われて、申請は受理されなかった。ハローワークに行っているが仕事がない。今はアルミ缶を拾って(500円程度/1日)何とか食べている。国保の保険証をたのんだら、11,000円払えば保険証を発行するといわれた。
しかし、そのお金がない。
  
 この事例については、生活保護の対象として、再度相談に応じてもらいましたが、結果は同じで、仕事を探すようにというアドバイスのみで終わったとのこと。そこまで言うなら、仕事を提供するところまで対応するべきです。

(福祉医療制度)

1.「垣老」の存続について > 

「国の医療制度の改定によって、自己負担が2割から3割になったら、かなり大きな影響が出てきそう。「垣老」については何らかの見直しが必要」

 たしかに、国の医療制度が改悪されれば、大垣市としても大きな負担となりますが、市民にとっては、「垣老」がなくなれば、国の医療改悪に追討ちをかけられることとなり、不安は倍増ということになってしまいます。

 先日も、入院費用の6万円が払えないと、術後、糸をつけたまま退院してきた人の相談にのりましたが、こうした人が高齢者のなかでも増えてきそうで心配です。

2.乳幼児の医療費無料化について > 

「県の制度を拡大してもらうよう要望する」

 岐阜県下の大部分の自治体は、独自の助成制度を設けて県の制度に上乗せをしています。以下は、主な自治体の実施状況です。

 岐阜市・多治見市・可児市・高山市など8市で就学前までの医療費助成制度あり。

 西濃地域では大垣市を除くすべての自治体は、県の制度に上乗せした助成制度あり。

以上

 2002年6月28日 笹田トヨ子

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